タクティカル・アーバニズム
タクティカル・アーバニズムとは、「意図的に長期的な変化を触媒とする、短期的で低コストかつ拡大可能なプロジェクトを用いたコミュニティ形成のアプローチ」と定義され、アメリカのマイク・ライドンとアンソニー・ガルシアによって提唱されました。
どういうことか、簡単に説明すると、長期的な視点をもちながら、短期間では誰でもできるようなアクションを行い、目的の達成を目指す。
というところでしょうか。
タクティカル・アーバニズムの効能は3つあります。
①実験的なアクションで人を巻き込み、新しい方法を共に試すことができる
②実験で、上手くいった点と上手くいかなかった点が浮き彫りになる
③変化のための政治的意志を形成し、世論を動かす。また便益をもたらす
全部重要なんですが、個人的には③が特に重要だと思っており、物事を動かすための機運を醸成するには、この短期的アクションが極めて効果的と思われるのです。
タクティカル・アーバニズムのサイクルは、
学習→アイデア→構築→プロジェクト→計測→データ→学習…
を描くことができ、さらに3段階で、
テスト→計画と再テスト→投資
とステージが上がっていきます。
これら一連の流れは、都市に変化をもたらすアクションとして、とても重要なプロセスだと考えます。プロジェクトを可視化したと言う意味でも、非常に重要でしょう。
先日、地元・仙台の中心地、仙台駅で大規模社会実験が行われました。道路を封鎖し、広場を作ったのです。評価は好評。まちづくりに大きな痕跡を残しましたが、もちろん課題もあります。駅前の渋滞が酷かったのです。
これも、タクティカル・アーバニズムの視点で分析することが出来るわけです。
まちづくりを行うに当たって、タクティカル・アーバニズムという考え方は、ポピュラーになるかもしれません。