プロのアマチュア
都市計画に携わる人で知らない人はいない、ジェイン・ジェイコブズ。
以前ブログでも紹介しましたが、この人の凄さは、なんと言っても、研究者などのプロの立場で本を書いたのではなく、一介の市民活動家あるいはルポライターの立場で数々の著作を書いたのです。特筆すべきは、その観察力。現場で実際に見聞きしたものから、どこまでも掘り下げて物事を観察し、分析した能力は本当に凄いものがあります。
著作『アメリカ大都市の死と生』の邦訳著者、山形氏は解説の中で、以下のように述べています。
アマチュアというのは通常は悪口で、・・・(中略)・・・、アマチュアがアマチュアであるが故に、プロに対して優位性を持てる場合がある。
①現象のストレートな観察
②専門家たちが何らかのドグマにはまってしまってる場合
③問題が大きくて、通常の学問領域に収まりきらない場合
もちろん、ジェイン・ジェイコブズにも批判はあります。自分で観察していない対象については、正確な分析ができていない、少数の事例が使いまわしされて、データによる裏付けはほとんどない、など。
それでも、ジェイン・ジェイコブズが打ち立てた金字塔が揺らぐことはいささかもなく、やはり現場に裏打ちされた現場感覚ってのは大事だなと改めて思わされます。
ぜひ、ジェイン・ジェイコブズの『アメリカ大都市の死と生』を読んでない方は一読をお勧めします!