まちづくり会社シャレット・デポ代表 しゅーたのブログ

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ジェイン・ジェイコブズ

毎日ブログ更新を目標に掲げておりますが、中々実践できておりません…

 

さて、GWに突入し、自分もまとまった時間ができたため、ジェイン・ジェイコブズの著作を読み直しておりました。ジェイン・ジェイコブズは、知る人ぞ知る人物で、本職はジャーナリストでありますが、都市計画思想に多大な影響を与えた人物であります。著作もいくつかありますが、最も有名なのが『アメリカ大都市の死と生』(1961)でしょうか。高速道路の建設や、都市の再開発等に対して反対運動の先頭に立って戦ってきた人でもあります。

 

最も印象に残るのは、ニューヨークの都市計画に大きな権限を持っていた、ロバート・モーゼスとの、都市計画をめぐる戦いの記録でしょうか。詳しくは『ジェイコブス対モーゼス ニューヨーク都市計画をめぐる闘い』(2011)に記されているので興味あれば読んでみてください。

自分が印象に残ったのは、モーゼスがル・コルビュジェの思想を曲解した形で輸入してきて、高層の公営住宅を乱立する方法に打って出るわけですが、ジェイコブズは真っ向から反対し、大事なのは公共領域であること。街路に出て見守るひとがいることで、治安は担保されるなどと発言。実際、モーゼスは公営住宅低所得者層をを押し込むような形で入居させたため、公営住宅がスラム化。描いていた理想の生活とはま反対に、荒廃の一途をたどり、さらには移住してきた黒人の入居問題(差別問題)と相まって、2000年前後にはほとんどが取り壊しという事態に陥りました。ジェイコブズはそれもすべて見通していたのでしょう。

 

彼女の慧眼は驚くばかりで、現場に対しての捉え方は正確無比で、当時は概念として普及していなかったであろう考現学(現代の社会現象を場所・時間を定めて調査・研究する手法)の先駆けをいってたのではないかと個人的には思っています。

彼女については語りたいことがいっぱいあるので、また機会を見つけてブログで述べた糸思いますが、著作の翻訳がいくつか出ているので、そちらも興味があれば読んでみてください。